「悩み事」相談1-2 スペイン人をしっかり理解

最後に、「スペイン人は、真似するのが下手」と言う指摘をさせて下さい。

もっとストレートに表現すれば、「下手」と言うより、スペイン人は、真似をしたがりません。これは、スペイン人にとって、大きなハンディーキャップです。スペイン人は、上司(日本人駐在員)の前で、自分の価値を見せようとする癖を持っています(傾向があります)。「自分の価値」は、「自分の主張」を認めてもらうことだと理解しているので、日本人駐在員が何かを教えようとすると、自分の考えを主張しようとします。特に、帳票の様な形あるものを教えようとすると、その帳票をしっかりと理解する努力よりも、帳票と『競争』しようとします。ですから、駐在員の方が持ち出した帳票よりも、自分がやっているやり方の方がより良いと主張しようとします。言い換えれば、「真似することをしたがらない」と言うことです。そして、スペイン人は頑固で、自分のやっていることをベストと考えているので、そう簡単には引き下がりません。(勿論、力関係では、簡単に引き下がります。「放棄」します。)それは、スペイン人にとっては、「自分の価値」を上司に認めてもらう機会でもあるからです。実は、この瞬間が、「スペイン人に仕事のやり方を教える」際のとても大事な瞬間で、教え切ると教えられたやり方は、その駐在員の人が居なくなっても、スペイン人の身に付いた仕事のやり方として継続されることになります。

ここで何が言いたいかと言えば、真似をしたがらないスペイン人に『真似をする』ように頼むことが、キーとなると言うことです。何だと思われるかも知れませんが、例えば、「帳票を埋めなさい」と指示するのと、「帳票を真似なさい」と指示するのでは、大きな違いがあります。と言うのは、「帳票を埋めなさい」と言う指示をもらったスペイン人は、自分の解釈で、帳票を埋めますが、「帳票を真似なさい」と指示されると、その帳票と自分のやっていることを比較し、分からない部分はしっかりと聞いて来ます。また、更に良いことは、真似をしてもらう帳票と自分のやっていることを比較して、自分が良いと思う案をスペイン人が主張してくれるので、どの点でスペイン人が自分のやり方の方が良いと考えているのかがはっきり分かります。この時の主張の仕方は、帳票と『競争』しようとして、「駐在員の方が持ち出した帳票よりも自分がやっているやり方の方がより良い」と主張するのではなく、帳票を『使おう』として湧いた疑問からの主張のため、質が違うと言えます。と言うのは、具体性を持った『真似をする』ための議論となり、議論はし易くなります。つまり、現状に基づいたスペイン人の考えが聞ける機会にもなります。勿論、スペイン人とのコミュニケーションの改善にもなります。

ですから、「これをしなさい」、「こうしない」と言う言い方ではなく、「こんな風にできないか」とか、「これを真似て作ってくれないか」と、真似をする』ように頼むことが、秘訣です。スペイン人と仕事をする心掛けをしてください。決して、スペイン人に仕事をさせるではありません。この違いが判らない、はき違えている駐在員を多く見てきています。

スペイン人は、「頼めば、色々とやってくれますが、指示すれば、指示されたことしかしない」と以前話をさせて頂いたと思います。仕事は、『人』と『人間関係』を成立させて、初めてやり遂げられるものなので、スペインで仕事をする場合は、スペイン人をしっかり理解することが、まず一番の秘訣だと、私は確信しています。

スペイン人は、「頼り」になります。皆さんの接し方次第です。

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